植物の自生地では誰も肥料を与えない。
それでも、植物はいき続けて来た。
これが植物の原理原則である。
しかし、近代の農業、園芸ではリービッヒの無機栄養説が約150年前に発表されると、
この理論に基づいた農業が、園芸が行われるようになり、増産、増収を図る目的で、
窒素の施与が行われて来た。
この技術がラン栽培にも当然のこととして行われている。
窒素には有機窒素(動物、植物を素材)と無機窒素(無機化学素材)があるが、
リービッヒの理論から、いづれの窒素であっても、無機のイオンの形態で窒素は植物に吸収されることになる。
土壌、コンポスト内では、硝酸バクテリアによって硝酸態窒素になる。
硝酸イオン
現在世界中で問題になっているのがこの硝酸イオンです。
窒素は植物体の構成、物質代謝に関係するアミノ酸、蛋白質、核酸など構成する
植物必須元素の一つであり、植物にとって最も重要な要素一つである。
このため窒素の施与の多少によって、植物の生育は大きく左右される。
このため、作物、植物栽培で窒素を与えてきた。ラン栽培でも与えてきた。
一般の植物では、この窒素を硝酸イオンの形で根から吸収されます。
吸収された硝酸イオンは酵素の働きにより亜硝酸、アンモニアへと還元され、
更にグルタミンのアミノ基として取り込まれ各種のアミノ酸へと変換されていきます。
植物に多くの窒素与えると、根から吸収される硝酸イオンの量は、
亜硝酸に還元される量より多くなるため、細胞内に硝酸イオンが蓄積される。
問題は、この蓄積される硝酸イオンである。
自生地では、吸収される硝酸イオンと還元される硝酸イオンの量は、
ほとんど同じだから、自生地の植物には過剰な硝酸イオンの蓄積はないと考えられる。
つまり、健康な細胞、体になっている。
細胞に硝酸イオンが蓄積されると、窒素を非常に好むナンプ病細菌のような、
自生地では細々と生きている(窒素が少ないから)菌が大繁殖することになる。
ラン栽培では、近年、この硝酸態窒素の肥料が多く使用されている。
永い期間効くようにした固形肥料。
粉末肥料。
液肥。
有機質由来の液肥でも醗酵腐敗の最終段階で硝酸態窒素になるから、
注意して施与しないと・・・・ナンプ病の多発となる。
現在、病気で悩んでいる人は、ほとんど、過去にこういう肥料を与えた人である。
パフィオ、コチョウラン・・・・ストレートに出る。
バルブのあるランでは、2,3年にわたってバルブに蓄積されているから、
始末が悪い。
SUGOI-neで植え替えしても、体質改善するのに3,4年かかる。
雨の当たらない野菜のハウス栽培では、土壌を改善するのは、
ほとんど不可能に近い。
土壌の入れ替えには大きなコストが必要になる。
そこで・・・・・養液栽培が・・・ということになるのだが・・・・。
現在の栽培は・・・・多種多様。
何が本物か解からない状況。
有機栽培も本物から偽ものまであって、近頃、有機物も使わないものまである。
でも、自然界では、植物のあるところ、必ず枯れ落ち葉がある。
この枯れ葉、枯れ落ち葉を無視してはならない。
これが原理原則である。
枯れ落ち葉には植物必須元素が含んでいるからである。
これを分解するのが材木腐朽菌である。
現在有機栽培が問題になっているのは、この自然の枯れ落ち葉ということが、
欠落していて、台所のゴミまで有機としている。
現在の有機農法は、窒素循環の有機である。
だから、濃厚飼料を与えた牛、豚、鶏などの糞には、多量の窒素を含んでいる。
これを使った堆肥、バーク堆肥、腐葉土を投与すれば、
化学肥料の窒素を投与したのと同じになる。
硝酸イオンの過剰吸収になる有機農法が生まれる!
化学肥料を与える農業が、世界中で問題になると、
有機農法があちこちで行われる。
これが行われるようになると・・・ラン用の肥料でも有機由来の肥料が開発される。
しかし、現在の有機農法、肥料は・・ほとんど嫌気性菌を使った
有機物(植物、動物)の窒素循環である。
だから、これらの方法では、ランの種子を発芽させることは出来ない。
ラン界でも、このことが正しく理解しないと、パフィオにバーク堆肥を使うことになる。
菌の種類が違うのである。
植物と窒素過剰について
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